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【外信コラム】北京春秋 経費か、投資か

2007.11.6 03:43
このニュースのトピックス中国

 代わり映えのしない報告に、正直、眠気を覚えていたときだった。「環境保護にはコスト(経費)がかかる」−。

 論戦を挑むかのような質問に、壇上の国連環境計画(UNEP)のエリック・ファルト広報官が応戦した。「コストではない。インベスト(投資)だ!」

 10月末、北京で開かれた「スポーツと環境世界会議」のひとコマである。質問者はインドネシア大使や2005年愛知万博の政府代表を歴任し、現在は日本陸連名誉副会長を務める渡辺泰造氏。小休止を待って話をうかがうと、満足げな表情を浮かべていた。

 あえて異議を唱えることで、会議を活性化させ、参加者の関心を促そうとしたらしい。白紙だった取材ノートにファルト氏の言葉を書き込んでいた。術中にまんまとはまってしまった。

 広辞苑で「投資」をひくと、「利益を得る目的で事業に資金を投入すること」「将来を見込んで金銭を投入すること」とある。環境保護の利益とは安全な生活環境というところか。

 となれば、一時しのぎの排ガス規制を効果絶大と喧伝(けんでん)する北京市にとって、五輪招致段階から投じてきた1000億元(約1兆5000億円)の環境対策費は「宣伝経費」に違いない。北京の空気を吸い込むと、いまだに息苦しさを感じることがあるのだから…。(川越一)

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