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【記者ブログ】中国出版界のあした 福島香織 (1/5ページ)
このニュースのトピックス:ノーベル賞
■秦の焚書坑儒以来、厳しい言論統制がめんめんと続く中国では今も体制批判や政治批判、あるいは社会の安定やモラルに著しく損なうなどの理由で発禁となるケースが多い。最近、またもや、すばらしい文芸作品が、発禁処分にあった。産経新聞(19日付)に報じた北京在住の作家、閻連科さん(48)の著作『丁荘夢』の発禁である。閻さんは今、発禁に対し、民事訴訟という形で抵抗している。これは並大抵の勇気ではない。そんなことをすれば、今後、業界から締め出され廃業に追い込まれないともかぎらないからだ。
■私としては、この事実を広くしってもらい、日本の読者にも彼を援護してほしい、というのが記事を書いた動機だ。しかし新聞掲載の記事はスペースの関係で内容をずいぶんはしょっていたし、読みすごした方もおられるだろう。記事と内容が相当かさなることを承知でもう一度、閻連科さんの発禁事件について紹介することをお許しください。
■発禁となったのは、中国で初めて「エイズ村」を題材にした小説『丁荘夢』(上海文芸出版社刊)だ。出版社側は発禁を「不可抗力による予期できない損害」として、著者の閻さんに契約書できめられた期限までに初版の印税などを払わなかった。これを閻さんは契約不履行として上海市第一中級法院で民事裁判を起こし抵抗したわけだ。作家個人が法的手段で発禁に抵抗した初のケースだろう。で、当局はこの件に関し報道統制をしき、世論が閻さんの味方にならないように手をうった。

