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反ポルノ法が波紋 インドネシア、曖昧規定で民族対立へも
【シンガポール=宮野弘之】人口の90%以上をイスラム教徒が占めるインドネシアで、先月成立した「反ポルノ法」が波紋を広げている。ヒンズー教徒が多数派のバリ州のパスティカ知事は最近、同州では民族対立を引き起こしかねないとして施行を見送る考えを表明し、中央政府との対決姿勢を鮮明にした。
同法は写真や動画、漫画やアニメ、イラストや文章などだけでなく動作や会話も取り締まりの対象。それらを記録したDVDなどの媒体の配布も禁じた。製作・販売者は最高で禁固12年もしくは75億ルピア(約6700万円)の罰金。出演したモデルや役者も、最高で10年または50億ルピア(約4500万円)の罰金だ。
同法案は1997年に初めてイスラム系政党の手で提出されて以来、修正を繰り返し何度も提案されてきた。今回成立したのは、来年の総選挙での苦戦が予想される与党が「イスラム票取り込みを狙った」(地元紙ジャカルタ・ポスト)との見方がもっぱらだ。
これに対し、ヒンズー教徒やキリスト教徒の住民がイスラムの価値観を押しつけるものとして反発。とくにバリでは、伝統のバリダンスが禁止されるとして、大規模な抗議デモも展開された。
インドネシア政府は「あらゆる民族の伝統や儀式は尊重される」としているが、法律ではワイセツの定義があいまいで、しかも一般市民が告発できるため、「対立相手を陥れる手段に使われかねない」(同紙)との指摘は根強い。
パスティカ知事も、「インドネシアの統一を守るため、なんとしても反対する」としている。
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