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上着を脱ごうとしない軍事政権 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:アジア・オセアニア
「外敵の脅威」を自らの体制や権益を維持する口実に使うのは支配者の古典的な手法である。しかし、ミャンマー軍政の特異な点は外国からの脅威や国の支柱としての自らの使命を固く信じていることだとミャンマー問題の専門家は指摘する。
シンガポールのリー・クアンユー元首相はこうした軍政の心理を「偏執狂的」と評する。自らも強権的手法でシンガポールを統治し、軍政には理解のあるはずの同氏だが、ミャンマー問題の解決に力を貸すことはあきらめたと語っている。
軍政は3年前、海に近いヤンゴンから内陸のネピドーに何の説明もなく唐突に首都を移転した。イラク戦争が始まった後とあって、米軍による侵攻を恐れて海から遠い場所に遷都したのだという説がまことしやかに流れた。
今回のサイクロン禍を受けてブッシュ米大統領は自ら米援助要員の受け入れを軍政に強く迫り、海軍艦船をいつでも急行できるように待機させた。被害妄想気味の軍政が疑心暗鬼を募らせ、一段と身を固めたとしても不思議ではない。
もっとも、ヤンゴンは緑の多い街の景観が一変するほどサイクロンで大きな被害を受けたが、新首都は無傷だったようだ。「壮大な無駄遣い」と批判された遷都だが、タン・シュエ議長らは「先見の明」があったとほくそ笑んでいるのかもしれない。
(在バンコク・ジャーナリスト 鈴木真)