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【主張】ミャンマー被災 軍政は何をしているのか
ミャンマーを襲ったサイクロンによる死者数が10万人をはるかに超える可能性が出てきた。米臨時代理大使が語った。
サイクロン禍としては1991年のバングラデシュでの死者数14万人を上回る恐れさえある。
被災地、イラワジ川河口のデルタ地帯にはいまも無数の死体が放置され、重傷者も数知れないという。家屋を失った住民は100万人に上るとの推計もある。
これほどの大惨事だというのに、ミャンマーの軍事政権はいったい何をしているのか。
さすがに、これまでの孤立姿勢を改め、外国からの緊急援助を受け入れたが、食糧やテントなどモノだけで援助隊などヒトの受け入れは一部を除き拒否したままだ。欧米への拒絶姿勢が目立つ。
これでは、一刻を争う重傷者や病人の命は救えない。いま必要なのは、外国からの緊急援助隊、すなわちヒトの受け入れだ。それも軍による救援が有効である。道路も橋も宿舎もないからだ。
だが、軍政当局は政権の崩壊につながることを恐れてか、外国の軍隊はおろか、欧米を中心に援助隊の入国も拒否し続けている。
政権の責務は、まず国民の生命を守ることだ。それができないのなら政権存続の意味はない。
2004年末のインド洋大津波では、インドネシア政府は外国軍隊の救助隊を受け入れ、大きな成果をあげた。米軍も欧州軍も自衛隊も出動した。ミャンマーの軍政もこれにならってほしい。
軍政は、軍権維持との批判がある新憲法案への国民投票を、被災地の一部を除いて予定通り10日に強行する構えだ。政権維持優先といわれてもやむをえまい。
被災地では水、食糧、医薬品などの不足が深刻化している。疫病の心配もある。このままでは犠牲者は増えるばかりだ。ミャンマー軍政に賢明な決断を促したい。
歴史的に親日感情が強いミャンマーには日本人の関心も高い。日本からは支援の用意もある。
観測衛星「だいち」を使ったサイクロンの被害状況情報の提供もできる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は昨秋から「世界の雨分布速報」の画像も公開している。軍政の姿勢ひとつで、政府開発援助(ODA)の新規分の再開もできるのである。
それにしてもサイクロンの大型化は不気味だ。台風の多い日本も「対岸の水害」視はできない。