赤道直下、太平洋に浮かぶ環礁の島国キリバスを訪れた人は、誰しも自然の美しさに息を呑(の)む。一方で自然は酷薄だ。高潮で洗われ無残に立ち枯れたヤシの林は、地球温暖化の行く末を暗示する光景のようだった。
第二次大戦では日米激戦の舞台、戦後も英米の核実験場、そしていまは国土水没の危機。絶えず外的要因に翻弄(ほんろう)されてきたキリバスの明日に取り組む姿を見た。(千野境子、写真も)