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銃撃説示す?新映像 ブット元首相暗殺 強める政権責任論
英民放局チャンネル4は30日、パキスタンのブット元首相が暗殺される直前と直後の現場を収めた最新映像を放映した。銃声とともに元首相の頭が後方にグラリと折れ、頭に巻いたスカーフがめくれあがるなど、銃撃の衝撃の結果ともみられる動きが記録されている。死因としての銃撃説を否定するムシャラフ同国政権の主張と食い違う状況証拠がまたひとつ現れた形であり、政権側の何らかの責任を追及する声が一段と強まりそうだ。
映像は一般住民が現場で撮影したとされる。容疑者のひとりとみられる男はひげをそり、サングラス姿だ。元首相が車のサンルーフから上半身を出して声援にこたえていると、銃声が3発響く。直後にブット氏の頭部は後方に折れ、崩れるように車内へと倒れ込んだ。
同局は銃器専門家の話として、スカーフや頭部の動きは銃弾の衝撃によるものである可能性が高いと指摘し、「死因は自爆テロの爆風による頭部強打。遺体に銃創はない」とする政権側の主張を否定的に伝えている。
死因の問題が、政権側と元首相支持者を中心とする野党との対立点となり、国際的にもこれほど注目されるのは、阻止しにくい自爆テロではなくて銃撃によるものだったとなれば、政権側が警備上の責任から逃れにくくなってしまうからだ。
暗殺現場は、陸軍本部があるラワルピンディ市で、元首相は帰国直後にも自爆テロに遭遇しているだけに、本来なら演説会場には厳重な警備体制が不可欠だったはずだ。
政権側が、銃撃直後の自爆テロによる暗殺だとし国際テロ組織アルカーイダ関連の武装組織の犯行だと発表したのも、元首相暗殺を許してしまった不手際を隠すためだとの憶測すら生んでいる。
元首相側が英米に警護を依頼していたのにムシャラフ大統領が許可しなかったとの報道もあり、軍関係者が銃撃などに関与した可能性をも含む陰謀説がくすぶっており、政権側としてはその意味でも、銃撃説が強まるのは避けたいところだ。
政権側は陰謀説の否定に躍起で、真相究明のためとして遺体解剖を元首相の夫に申し入れたものの却下されており、真相をめぐる双方のせめぎ合いは収まりそうにない。(犬塚陽介)