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「ポスト京都議定書」に向け激しい攻防

2007.12.10 21:13
このニュースのトピックスアジア・オセアニア

 【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=杉浦美香】気候変動枠組み条約の第13回締約国会議(COP13)が始まってから1週間が経過した。12日からは約190カ国の環境大臣らが集まる閣僚級会合が始まり、京都議定書の定めがない2013年以降の「ポスト京都」の枠組み作りに向け、激しい攻防を繰り広げる。11日は京都議定書誕生から10周年。次期枠組みでも、温室効果ガス削減を義務づけた「京都」の枠組みを残せるかが注目される。

 ■途上国との溝

 「ポスト京都」のたたき台として8日、各国に示された議長草案が大きな焦点になっている。「気候変動の被害を防ぐため、先進国は2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年比25〜40%削減」とする内容。

 今や米国に匹敵する排出大国の中国が主張しているのも、先進国が義務を負うこの数字だ。京都議定書では中国を含む途上国に削減義務がない。中国はいずれ責任をおわなければならないことを否定しているわけではないが、「温暖化の原因を作った先進国がまず削減数値目標を示すべきだ」という立場だ。

 これに対し、米代表のワトソン・上級気候交渉官は10日の記者会見で「先進国だけの削減数字を先行させることはできない」と主張した。米国主催の排出大国が集まる第2回会合が来年1月に開催予定で、米国主導で将来枠組みを進めたいという思惑がある。

 日本、カナダも「途上国の参加がなければ合意しない」との立場。日本政府関係者は「途上国に削減義務を免除した京都議定書の悪夢を繰り返してはならない」と言う。削減義務をめぐる先進国と途上国の溝は深い。

 ■途上国内の亀裂

 途上国グループは「G77+中国」として意見をまとめるが、ここにも温度差がある。

 「われわれは温暖化の脅威にさらされている。効果的な対策を求める」

 カリブ海の島国、バルバドス代表団が次期枠組みの作業部会で、発言した言葉だ。

 島嶼(とうしょ)国や最貧国とされる国にとっては、海面上昇や干魃(かんばつ)などが現在進行形で起きている。温室効果ガスの削減は国の存亡にかかっている。

 カリブ海の15カ国・地域で作る「カリブ共同体」の気候変動センターのレスリー所長は「温暖化は死活問題であり、われわれもできることを行う。排出大国の中国やインドはすぐにでも行動すべきだ。しかし彼らの声は大きく、われわれの意見は反映されていない」と話す。

 ■知的財産権

 もう一つの焦点が、先進国から途上国への技術移転だ。

 発展途上国が将来、温室効果ガス削減に責任をおうには、二酸化炭素削減や省エネ技術の移転が不可欠だ。これまでもその重要性が確認されてきたが、途上国の間には不満が大きい。

 インドネシア政府代表団代表、エミール・サリム元環境大臣は「先進国は技術移転するといいながら実施していない、まずは実行すべきだ」と言う。

 技術移転には、民間の特許、知的財産権が絡む。特許を買い取り移転させる基金を設置するよう途上国が求めているが、日本も含め先進国は「民間企業の研究開発意欲をそぐ」と対立している。

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