MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

【外信コラム】シンガポール マーライオンの目 もう聖歌は聞こえない

2007.11.13 03:54

 スリランカ北部のキリノッチは、反政府ゲリラ「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)の拠点である。2005年1月、インド洋大津波の被災地を取材するため訪れた。政府・ゲリラ双方の検問所をいくつも通り抜けてたどり着いたその地は、道沿いに地雷原が残る、静かな街だった。商店も、学校も、病院もあった。宿泊先の教会には、内戦などで親を失った子供たち約50人が暮らしていた。毎朝、彼らの歌声で目覚めたものだ。

 そのときインタビューに応じたのが、LTTEナンバー2のタミルセルバン氏である。内戦で負傷したという同氏は、つえを突きながら会見場に現れた。意外にも、物腰が柔らかく笑みを絶やさない。そして若い。当時38歳である。とはいっても、元郵便配達人という通訳の老人を介して繰り出される言葉は、激越な政府批判ばかりだった。

 政府の支配地域に戻った後、スリランカ人ジャーナリストにその話をしたら、露骨に嫌な顔をされた。「どうしてあんなテロリストと会ったりしたんだ!」。同国では1980年代から続く内戦で7万人以上が犠牲になったといわれている。

 先日、そのタミルセルバン氏が死亡した。午前6時ごろ、キリノッチで政府軍機の空爆を受けたらしい。最近はキリノッチも爆撃対象になっている。教会にいた子供たちは、爆音がとどろく中で不安な朝を迎えていることだろう。(藤本欣也)

[PR]
[PR]
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2007 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。