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【外信コラム】ポトマック通信 柔道に学んだ礼節
このニュースのトピックス:米国
いま米国の大学は卒業式の季節である。私の通う「ジョージタウン大学・ワシントン柔道クラブ」でも大学や大学院を終えた若者たちが去っていく。その一人、フィオラ・マストリオネ君は1年から4年までジョージタウン大学での生活では一貫して柔道に励んできた。だが医学部進学課程を終えたいま、ボストンの医科大学に進むため、ワシントンを離れることになった。
彼の最後の練習の夕、質問してみると、柔道を始めたのは学生寮の友人に勧められたのが契機だが、その友人はもうやめてしまった。4年間、毎週3回のペースで練習を続けて得たことは「心身両面で自分が強くなったという自信と、国や民族、文化の差を超えての礼儀礼節だと思う」という。初心者のフィオラ君を文字どおり手取り足取りして受け身から教えてきた私としてもなごりは惜しい。
いまや有段者寸前の茶帯のフィオラ君と最後の乱取り練習をした。1年前ぐらいまでは容易に投げることができた彼もいまではそう簡単には倒れない。2人とも汗だくになってのけいことなった。練習終了時の正座では全員が彼の旅立ちを祝って拍手を送った。
その後は有志10人ほどがフィオラ君と恋人のロラさんを送別のピザの食事会に招いて歓談した。典型的な明るい米国人青年の彼も「しばらくは会えませんね」と惜別の言葉をぽつりともらしたときは、表情を陰らせた。(古森義久)