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【主張】米外交安保チーム アジア政策も注視したい
オバマ次期米大統領が新政権の外交・安全保障担当閣僚チームを発表した。ライバルや党派にこだわらずに現実的実務家や重鎮を配した超党派布陣が特徴で、「米国の総力を挙げて21世紀の課題に取り組む」という。
注目の国務長官には予備選最大のライバルだったヒラリー・クリントン氏を起用した。国防長官に現職のゲーツ氏が留任、国家安全保障会議(NSC)を仕切る大統領補佐官にベテラン軍人のジョーンズ元海兵隊大将を充てた人事も堅実な中道派の色彩が強い。
米国は今、未曾有の金融危機に加えてイラク、アフガニスタンで2つの戦争を抱える。ベトナム戦争期以来の「戦時の政権交代」となるオバマ氏にとって、諸外国に誤ったメッセージを送らないためにも、切れ目のない政権移行の実現は至上課題となるはずだ。
そうした意味で、「国家安全保障は超党派で、という米国の伝統を尊重する」と語ったオバマ氏の現実感覚は評価できる。とくにイラクでは、政治がようやく安定し始めたばかりだ。米軍の早期撤退公約にこだわって、これまでの成果を無にすることがないように柔軟な対応を注文しておきたい。
新チームが取り組む課題は中東和平、テロとの戦い、核不拡散、環境など数多いが、まずは国際社会の信頼と指導力の回復に取り組むことが何よりも重要だ。
ただ、米メディアが「大胆な賭け」と呼ぶように、ライバルと重鎮の混成チームには不安もなくはない。外交の顔となるクリントン氏は国際的知名度は抜群だが、外交実務は未知数だ。夫のクリントン前大統領の海外活動との「利害衝突」の回避も欠かせない。
選挙中はイラク、イラン政策などでオバマ氏と対立した。このため政権発足後も、オバマ氏やゲーツ国防長官、ジョーンズ補佐官らとの政策調整が大きな課題になるとの見通しもある。
新チームを迎える日本の最大の関心はアジア政策の展開だ。
クリントン氏は昨年、米中関係を「21世紀の最も重要な二国間関係」と位置づけた。オバマ氏は既存の同盟重視を挙げているものの、在日米軍再編、北朝鮮の核問題や日本人拉致問題、米中関係など具体的対応は明確でない。日米同盟を今後も強化し、深めていくには日本側の積極的アプローチやリスクの共有も重要だ。日本外交にも一層の奮起を求めたい。