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突然の民間年金国有化で激震 アルゼンチン (1/2ページ)
このニュースのトピックス:労働・雇用
【ロサンゼルス=松尾理也】南米アルゼンチンのフェルナンデス大統領が民間年金基金を国有化する方針を打ち出したことをきっかけに、同国が2001年以来2度目のデフォルト(債務不履行)の危機にひんしているのではないかとの観測が浮上している。「受給者を金融危機から守るため」との公式見解とは裏腹に、“接収”した年金を対外債務返済の原資にあてるのではないかとの見方が広がっているためだ。
大統領が国有化策を明らかにしたのは21日。「金融危機で欧米は公的資金を投じ銀行を守った。わが国は銀行ではなく退職者や労働者を保護する」と述べ、総額約300億ドル(3兆円)の民間年金基金の資産を政府管理下に置く法案を打ち出した。
労組などの支持があったものの、市場関係者からは「対外債務返済のための財源確保ではないか」との疑念が浮上した。アルゼンチンは来年、120億ドルの対外債務の償還期限を迎える一方、国際的な穀物価格下落の影響を受け税収が大幅に減少しているからだ。
大統領は否定するが、「年金国有化で簡単に財源が手に入る」(英エコノミスト誌)ことは事実。同国有力紙ナシオンは「合法的な略奪」との社説を掲げ、AP通信は、01年のデフォルトで口座凍結の経験を持つ人々の間に、今度は年金が消えてしまうとの不安が広がっていると伝えた。
年金制度は、市場原理の導入や規制緩和に重きを置く新自由主義政策が全盛だった1994年に民営化された。しかし、南米ではその後、貧困の進行や所得格差の拡大を受け、次々と左派政権が誕生。同国でも03年5月、現大統領の夫であるキルチネル氏が左派路線を掲げて大統領に当選した。今回、新自由主義の象徴である年金民営化が終焉を迎えたことは、“左旋回”の総仕上げともいえる。
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