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さようならヤンキースタジアム 最後の試合終え、80余年の歴史に幕
【ニューヨーク=長戸雅子】1923年の開場以来、米大リーグヤンキースの本拠地として親しまれてきたヤンキースタジアムで21日夜(日本時間22日)、最後の試合が行われ、86年の歴史に幕を閉じた。来季からは隣接する新球場に移転する。ベーブ・ルースをはじめ多くの名選手を生んだ同スタジアムは「野球という枠を超えた米国史の名所」(ヤンキースのジーター選手)として記憶に刻まれることになる。
同スタジアムは「(ベーブ・)ルースが建てた家」ともいわれる米野球の「聖地」だ。ルースと同時期に活躍しながら早世したルー・ゲーリッグ、その後のジョー・ディマジオ、ミッキー・マントルら数々のスター選手が輝かしい歴史を創っていった。
その「伝統」がもつオーラは名選手をも畏怖(いふ)させる迫力があったようだ。メジャー歴代2位の本塁打記録を持つハンク・アーロン氏はヤンキースと戦った1957年のワールド・シリーズを回想し、「球場に足を踏み入れたときは怖気づいた。そこにいるだけで気おされる。ヤンキースとは野球であり、ヤンキースタジアムはヤンキースタジアムだ」と比類なき場所とたたえた。
試合前に行われたセレモニーには、往年の名選手が登場。ルースの娘のジュリアさん(92)が始球式を行った。77年のワールドシリーズで3打席連続本塁打を放ってチームの勝利に貢献し、「ミスター・オクトーバー」と呼ばれたレジー・ジャクソン氏は「昔からの友人を失うようだ」と別れを惜しんだ。
ブロードウェーのミュージカル女優から転身、女性スポーツキャスターの草分けとなったスーザン・ウォルドマンさんは、ヤンキースがワールドシリーズを制覇した96年が思い出に残っている。
「乳がんで化学療法を受けながらシーズンを取材した。チームも勝ち、私もガンに勝った。最高の年の最高のチームだった」と自身の人生と重ね合わせる。だが、「数々の思い出と希望を通りの向こう側(の新スタジアム)へ持っていくことができるから寂しくはない」と強調し、伝統と精神は新スタジアムに受け継がれると語った。

