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米、対露政策見直し必至 NATO東方拡大と協調外交
【ワシントン=山本秀也】南オセチア紛争は12日、ロシア側が戦闘中止を発表したことで、本格的な危機が回避される可能性が出てきた。グルジアの親米政権を支えてきた米国は、ブッシュ大統領が「過激で野蛮な軍事行動の拡大」を非難してきたが、現実には打つ手が少ない状況にあった。次期政権を含め米政府は、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大戦略と、協調を演じてきたロシアへの外交を練り直す必要に迫られそうだ。
ロシアがグルジア本土に戦車部隊を進めたことで、米政府当局者は、アフガニスタン侵攻(1979年)などソ連時代の侵略行為の再演とみる危機、嫌悪感を示していた。北京五輪の視察から戻ったブッシュ大統領も「近隣の主権国家への侵略」「21世紀において容認し難い行動」など、ロシアの侵攻に最大級の外交非難を浴びせた。
ただ、激しい言葉とは裏腹に、具体的な解決策は、欧州連合(EU)議長国のフランスがまとめ「即時停戦」などを求めた国連安保理決議案の内容を繰り返すにとどまり、軍事的な対応への言及をほのめかすことも避けていた。
ロシア軍が南オセチア自治州に侵攻して以来、米政府は(1)ロシア通のライス国務長官らによる対露交渉(2)グルジアへの特使派遣(3)国連安保理でのグルジア擁護−など、事態打開へ外交工作を重ねてきた。
だが、10日の接触でロシアが「サーカシビリ大統領の退陣」をはっきり要求し、続けてグルジア本土に軍事侵攻したことで、米側の手詰まり感は明白となった。任期切れまで半年を切り、イラク、イラン問題を抱えるブッシュ政権が、外交、軍事両面で大胆な対抗策に出られない状況をロシアに見透かされた結果だ。
米国にすれば、サーカシビリ政権の対応も稚拙だったとはいえ、軍事侵攻を辞さなかったロシアへの対応を見直さざるを得ない。強権姿勢に目をつむり、プーチン首相(前大統領)との協力を演じたブッシュ政権の対応は、軍事侵攻で事実上幕切れとなりそうだ。