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【ナニワ記者米国ジャーナリズムを行く(10)】地方紙がウェブ版を辞めた理由 (1/2ページ)
日本と同様、米国でも若年層の新聞離れが深刻な問題となっている。原因は、インターネットの影響が大きい。南カリフォルニア大学がまとめた昨年の利用状況の調査で、若者を含め米国人の多くがインターネットをテレビやラジオ、新聞よりも重要な情報源と見なしているという。
17歳以上の利用者の80%が、インターネットは新聞やテレビ、ラジオより重要と答え、その数字は2年前の66%から大きく伸びた。
現在のこうした状況をいち早く察知し8年前、オクラホマ州の新聞社で最も早くウェブ版を立ち上げた地方紙が、インターン先のウェザーフォード紙だった。紙面の内容を毎日ウェブ上で更新し、読者に無料提供するという当時としては画期的な試みだった。
オーナーのフィリップ・リード氏(48)は「インターネットの出現で、新聞ビジネスも大きく変わると直感し、他社より先行しようとウェブ版を作った。州外からも多くの広告収入が見込めると期待していた」。
ところが、ウェブのアクセス件数は多少伸びつつあったが、広告収入は伸び悩んだ。約1万人の人口の小さな町の読者が、ウェブ版の必要性をフィリップ氏ほど感じていなかったのだ。期待した州外からの広告収入のあても外れた。
全米に安定した販売網を持ち、自社のウェブサイトで製品をPRできる大企業は、ウェザーフォード紙のような小さな町の新聞社に広告を掲載することを採算に見合わないと判断した。
さらに追い打ちをかけたのは、ウェブ版を立ち上げて5年間、肝心の紙媒体の購読者数が18%も減少ことだった。「あれには参ったよ。まさか本体の紙にまで影響が及ぶとは思いもしなかった」とフィリップ氏はいう。
これを契機に、訃(ふ)報(ほう)記事などの必要最低限の記事だけを残してウェブ版を縮小し、日々更新していた記事の掲載を取りやめた。しかし、意外にもこのことが状況を好転させた。
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