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【早読み/先読み アメリカ新刊】マケインという男の全人像を描いた決定版 (3/3ページ)

2008.5.4 08:34
このニュースのトピックス早読み/先読み アメリカ新刊
McCain: The Myth of a MarverickMcCain: The Myth of a Marverick

■尊敬する大統領はセオドア・ルーズベルト

 世論調査機関ゾグビーによれば、アメリカ国民が最も尊敬している20世紀以降の歴代大統領の御三家は、セオドア・ルーズベルト(26代)、ジョン・F・ケネディ(35代)、ロナルド・レーガン(40代)だ。ともに60%台。しかもこの順位は過去3年間変わっていない。これに40%台のトルーマン、アイゼンハワー、クリントンが続く。

 マケインが最も尊敬しているのはルーズベルトだ。マケインは「自分に愛国心とは何かを教えてくれたのはルーズベルトだ。自分の人生観を形作ったのはルーズベルトのほかは海軍しかない」と言ってはばからない。おそらく祖父がルーズベルトが海軍長官に仕えたことなども影響しているのだろう。

 大統領になる可能性が強くなってくれば、当然マケインに知恵を授けるブレーンが誰なのか気になってくる。ウェルチは、2人の人物の名前を挙げている。1人は、マケインのAlterego(第二の我)といわれているマーク・ソルター補佐官。そしてもう1人は、外交担当補佐官を務めてきたランディ・シューネマンだ。

 ソルターはマケインの著書「Faith of My Father(わが父の信仰)」の共著者で、保守派のジーン・カークパトリック元国連大使の補佐官を務めたこともある。シューネマンはネオコンの重鎮、ウィリアム・クリストルから紹介された新進気鋭の国際問題の学者である。

 マケインがネオコンと近い関係にあるとされるのも2人のバックグラウンドからだが、本選挙に向けてマケイン陣営内では現実主義主義者とネオコンとの綱引きが続いているらしい。現実主義者グループにはコリン・パウエル元国務長官、リチャード・アーミテージ元国務副長官、ブレント・スコウクロフト元大統領補佐官。そしてキッシンジャー、シュルツ両元国務長官が控えている。一方のネオコン・グループにはロバート・ケーガン・カーネギー国際平和研究所主任研究員、マックス・ブート外交問題評議会主任研究員、ジョン・ボルトン元国連大使らがいる。

 すでに日欧など先進民主主義国家との同盟関係の強化、国連にとって代わる「民主国家連盟」結成といった外交構想を打ち出したマケインだが、具体的政策で誰の意見を取り入れていくのか。

 いずれにせよ、海軍士官学校、海軍、ベトナム従軍、捕虜生活、私生活では先妻と離婚し、その後十数年若い元ミス・ロデオの女性と再婚するなど、人生の喜怒哀楽を満喫してきた71歳のマケイン。その生きざまの濃さにくらべると、こと人生経験ではオバマもヒラリーもマケインの足元にも及ばない。(高濱賛)

 ■高濱 賛(たかはま・たとう)在米ジャーナリスト。米カリフォルニア大学バークリー校卒。読売新聞社でワシントン特派員、調査研究本部主任研究員(日米関係、安全保障)などを歴任。1999年より米パシフィック・リサーチ・インスティチュート所長。著書には、『中曽根外政論』『レーガンの次は誰か』『日本の戦争責任とは何か』『アメリカの歴史教科書が教える日本の戦争』『捏造と盗作』など、訳書に『アメリカの内戦』『マイティ・ハート』など。

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