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南米危機、急転直下の和解

2008.3.8 18:14
このニュースのトピックス米州
7日、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで開かれた会合で顔を合わせ、和解して言葉を交わすコロンビアのウリベ大統領(左)とベネズエラのチャベス大統領(右)。中央はドミニカ共和国のフェルナンデス大統領(ロイター)7日、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで開かれた会合で顔を合わせ、和解して言葉を交わすコロンビアのウリベ大統領(左)とベネズエラのチャベス大統領(右)。中央はドミニカ共和国のフェルナンデス大統領(ロイター)

 【ロサンゼルス=松尾理也】南米コロンビア政府軍が隣国エクアドルの領土内で左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)幹部を殺害した事件を機に南米の北部で外交的緊張が高まっていた問題は7日、コロンビア、エクアドル、ベネズエラの関係3国首脳がドミニカ共和国で会談し、紛争終結に向けた和解に合意した。

 親米国コロンビアを左派諸国が取り囲む形で対立が深刻化していた今回の問題は、発生から1週間でとりあえずの解決をみた。だが、急転直下の和解の裏側に、対立の火種は残されたままとの見方も根強い。

 ロイター通信などによると、この日ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで開かれた、中南米諸国で構成するリオグループの会合に、コロンビアのウリベ大統領、エクアドルのコレア大統領、ベネズエラのチャベス大統領がそろって出席。ウリベ大統領は越境攻撃について謝罪し、コレア大統領は「問題は解決された」と応じた。

 チャベス氏は笑みをたたえ、「この首脳会談は神からの贈り物だ」と述べるなど、友好ムードの演出に努めた。和解を受け、コロンビアと断交していたエクアドル、ベネズエラ、ニカラグアの各国はそろって、外交関係を復活させた。

 だが和解の裏側では、今回表面化した対立の構図は残されたままとの見方が強い。

 ゲリラへの越境攻撃が発端だった今回の問題は、外交問題に発展するにつれ、南米における親米国家としてのコロンビアと、それを取り巻く左派政権の国々という対立の図式に発展した。左派陣営にはブラジルやアルゼンチンといった、中道寄りながら左派路線をとる地域大国も勢ぞろい。コロンビアは地域での孤立が進んだ末に、謝罪を強いられた形となった。

 しかし、実際にはウリベ大統領にはさほどの敗北感は感じられない。その理由についてロイター通信は、越境攻撃の際にFARC側から押収したパソコンから、チャベス、コレア両大統領がひそかにゲリラを支援していた事実が分かり、いわばコロンビアは「切り札」を手にした形となったため、と指摘した。

 麻薬、誘拐ビジネスへの関与が指摘されるFARCとのつながりがさらけ出されれば、左派各国のリーダーとして地位を固めつつあるチャベス氏の評判が著しく傷つく可能性がある。「今後チャベス氏は、FARCとのつながりを正当化するため、人質解放の仲介にさらに真剣に取り組まなければならなくなる」と専門家は分析する。

 一方、ウリベ大統領についても、英BBC放送は「エクアドルからの抗議は織り込み済みだったものの、断交がベネズエラやニカラグアにまで広がるとは予期していなかったはず」と指摘。越境攻撃に対する批判が予想以上に激しかったことから、妥協に追い込まれたのではないかと分析している。

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7日、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで開かれた会合で顔を合わせ、和解して言葉を交わすコロンビアのウリベ大統領(左)とベネズエラのチャベス大統領(右)。中央はドミニカ共和国のフェルナンデス大統領(ロイター)
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