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【早読み/先読み アメリカ新刊】「事実は小説より奇なり」−−これが泣く子も黙るCIAの全貌だLegacy of Ashes: History of CIA 「灰燼からの遺産:CIAの歴史」By Tim WeinerDobuleday (1/4ページ)
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スーパーマンとして、そして汚れ役としてのCIAの足跡
CIA(米中央情報局)という固有名詞が持つ響きには、えたいの知れないもの特有の不気味さがある。たびたび小説や映画の題材にされるのだが、スパイもの独特のかっこいいアクションや奇抜な対敵作戦ばかりが目立つと、現実離れしてしまう。
最近ではマット・デイモン主演の映画「ボーン」シリーズが大当たりだったが、コンピューターを駆使して、記憶を喪失したデイモン演ずる元工作員を追跡するCIAは万能の神のようで、カッコよすぎる。第1、CIAが全世界をお見通しのようでうそっぽい。
しかし隠せば隠すほど知りたくなるのが人間の性(さが)。一般市民は、CIAにスーパーマン的存在と悪役とを演じさせたくなるのかもしれない。
最初にお断りしておかなければならないのは、本書はCIAが今イラクをはじめ世界中で何をやっているのかについては一切触れてはいない。しかし、だからこそCIAは、このベテラン記者にこっそりとCIAの「過去の実像」をかい間見せたのだろう。「CIAの今」を知りたければ、30年先、2040年まで待たなければならないのかもしれない。
手に汗握るCIA、KGBの対決
著者のティム・ワイナーは、80年代後半から現在まで米情報機関の動きを追ってきた『ニューヨーク・タイムズ』のピュリツァー賞受賞記者。タイトルの”Legacy of Ashes”は、アイゼンハワー第34代大統領がCIAについて語った言葉だ。第二次大戦の戦火の中でアメリカの国益を守るために命を賭して情報を集めてきた米陸軍情報機関の工作員たちの遺産を礎に発足した総合的な中央情報機関。そのCIAをアイクは、「灰燼(かいじん)からの遺産」と呼んだのだ。

