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【早読み/先読み アメリカ新刊】ヒラリーはどんな政治を行うのか (1/4ページ)
For Love of Politics: Bill and Hillary Clinton: The White House Years
政治愛のために:ビル&ヒラリー・クリントン、ホワイトハウスの日々
By Sally Bedell Smith
Random House
嫉妬(しっと)心を辛口ジョークで抑える女丈夫
米大統領予備選序盤戦アイオワ州では不覚にも3位に甘んじたが、ニューハンプシャー州では女性層や労組票を固めて「復活」した史上初の女性大統領有力候補、ヒラリー・クリントン上院議員。ライバルのバラク・オバマ上院議員との熾烈(しれつ)な戦いが続いている。
ニューハンプシャー州での勝因は投票前日に集会で見せた涙だというのが大方のメディアの解説だ。裏を返せば、それまで女らしさを排除し、どこまでも突っ張ってきた女丈夫ヒラリーに対する一般庶民のアレルギー反応があったということかもしれない。
頭は抜群にいい。弁も立つ。名門校を出て、弁護士、ファーストレディー、そして上院議員と非の打ち所のない超エリート女性にはどこか近寄りがたいところがある。人間としての弱さとか感情を押し殺し、その美貌(びぼう)に包んだ女性といった印象が強い。ニューハンプシャーで見せた涙はその点では一般の女性有権者をほっとさせ、同情心を誘ったということになる。
無論、すべて計算済みの涙だという指摘もある。予備選はこうした数々のドラマを作りながら夏の党大会に向けて走り出している。そして今後の成り行き次第では史上初の女性大統領が誕生するかもしれない。
そして、その場合、そのヒラリー大統領の下でどのような政治が行われるのだろうか。それを見越すかのように書かれたのがベテランのノンフィクション作家の手によるこの本だ。
尺度として用いられるのは、サブタイトルが示すように、「ビル・クリントン第42代大統領とファースト・レディーだったヒラリー・クリントンがホワイトハウスで過ごした8年間」の記録である。筆者は、クリントン政治はただビル・クリントンだけによるものだったとは考えていない。それは、ヒラリーとの共同作業だったと固く信じている。つまりクリントン政権の8年間を検証すれば、ヒラリー政治が十分に予測できるというわけだ。

