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【主張】米大統領選 日米同盟を生かす論議を
米大統領選で二大政党の指名候補を争う初の党員集会がアイオワ州で開かれ、民主党は黒人初の大統領を目指すオバマ上院議員、共和党はハッカビー前アーカンソー州知事がそれぞれ首位を制した。
今回の大統領選は、80年ぶりに現職正副大統領が出馬しないオープン選挙となる。加えて、2月5日の「メガ・チューズデー」には全米22州で一斉に党員集会・予備選が行われる異例の短期決戦型となり、両党ともに従来にない激烈な指名争いを展開中だ。民主党では「若さと変革」を訴えるオバマ氏と「経験と実績」を強調するヒラリー・クリントン上院議員らがしのぎを削り、共和党ではブッシュ現大統領が残していく内政、外交の諸課題をどう継承するかが争点だ。米有権者の関心が高まるのも当然だろう。
だが、世界から見た焦点はそれだけではない。2001年の9・11テロを契機に、21世紀の国際社会は大きな危機の時代に入った。ブッシュ政権の下で始まった世界的な「テロとの戦い」や大量破壊兵器の拡散防止、サブプライム、貧困、地球環境など、超大国アメリカの指導力に期待されるグローバルな課題は山積している。
ブッシュ氏の2期8年に続く「ポスト・ブッシュ」の米国のかじ取りが誰に託されるのか。次期大統領候補はこれらの地球規模の問題にどう取り組もうというのか。米国民だけでなく、全世界が大統領選の行方に注目するのはこうした切実な関心からだ。
とりわけアジアでは中国、インドの台頭が著しく、強気の資源外交を展開するロシアの動向も目が離せない。
歴代米政権がアジア・太平洋戦略の要石と位置づけてきた日米同盟の重要性がますます高まっているが、最近では双方の国内政治情勢を反映してか、必ずしも盤石とは言いがたい兆候も目立ってきている。
アジア・太平洋に平和、安定、繁栄を確保するには、日米同盟の活用と強化が欠かせない。米国だけでなく、それがアジアと世界のためにもなる。
両党の指名候補者たちはそうした大きな視野に立って、世界戦略や同盟戦略を論議し、競ってもらいたい。
日本政府は、有力候補陣営との人脈づくりを十分行っているのか。そのための外交努力を強めるべきである。