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【コラム・断】アメリカの大統領選に思う
このニュースのトピックス:紛争・クーデター・革命
安倍首相が辞意を表明した。しかし、次期首相への期待が国民の間でいまひとつ盛り上がらない。首相選びに国民が直接参加できないことも要因の一つではないだろうか。
一方、アメリカの大統領選は、まだ党の指名争いの選挙運動中なのに大変な盛り上がりである。シンプルな直接選挙制度ではないが、国民は自分の一票が次期大統領を選出すると思えるので「おらが大統領」への思い入れが強いからだ。
私はヒラリー応援組だ。夫のクリントンが大統領選に名乗りをあげ、大統領を2期務めた期間、アメリカで根をはって生活し、ヒラリーをずっとみてきた。アメリカ国籍をとらなかったので選挙権はないが、私にも私なりの思い入れがある。
政治家としての能力を高く評価されていたクリントン元大統領が、「ヒラリーのほうが僕よりも優秀だろう」と言うくらい、彼女の力は折り紙つきだ。しかし、ヒラリー支持者は「女性首相が誕生したヨーロッパと違って、アメリカでの女性蔑視(べっし)は根強いので予断を許しません」と言う。当然ながら、同性すべてが彼女の味方でもない。
オバマに対しても「母親が白人の彼は本当の黒人ではない」と黒人の中に反発がある。黒人映画監督スパイク・リーが、黒人同士も肌の色で差別しあうことを皮肉とユーモアをもって描いていたことを思いだす。
アメリカのパーティーで禁じられている話題のひとつが政治である。支持政党、支持政治家をめぐって興奮してけんかになることもあるからだ。アメリカの熱狂をみていると、日本も、国民投票法成立の次は首相の直接選挙制度への改革ではないかと強く思うくらいだ。(評論家・井口優子)