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大事なことは外国語で!? 母国語以外で考えると「合理的」に判断

2012.4.27 13:00 (1/3ページ)

 米国と韓国の被験者300人余りを対象にした実験によって、第二言語でものを考えると、感情的反応に流されず、慎重に分析して判断を下す傾向が強まるとの実験結果が明らかになった。

 あるリスクについて適切に判断するためには、外国語で考えるといいかもしれない。

 米国と韓国の被験者300人余りを対象にした実験によって、第二言語でものを考えると、人間の思考に深く根付いていて、損得の判断などを誤らせる心理的傾向が弱まることが明らかになったのだ。

 4月18日付けの『Psychological Science』に掲載されている論文には、次のように書かれている。「直観的に考えると、使う言語にかかわらず同じ判断が行われる、もしくは、外国語で考えたほうがより体系的でない判断をしてしまうように思われるが、実際にはその反対が正しい。つまり、外国語を使うと、意思決定をするときのバイアスが減少するのだ」

 心理学において、人間の判断は、2つの異なる思考法によって導き出されると考えられている。ひとつは、体系的・分析的で、高度に認知的な思考法。もうひとつは、手早く無意識的で、感情的な思考法だ。

 [二重過程理論と呼ばれ、長期的な利益を勘案することができ主に大脳新皮質に司られている「理性的システム」と、即座に働き短期的な利益(主に生存・繁殖)に関わり主に大脳辺縁系に司られている「情動システム」の両方が、判断や意思決定に関わっているとされる]

 これに照らし合わせると、母国語でなく、無意識には使いこなせない言語で思考することは、認知的に負荷のかかる行為であり、脳の処理能力を奪われるため、そのような場合には、手早く短絡的な思いつきに頼る傾向が強くなるように思われる。

 しかしその一方で、後から習得された言語を使うときには、物事をじっくり考える態勢になるため、あまり当てにならない直感に頼る傾向はかえって弱まるとも考えられ、こちらも同じくらい妥当性がありそうだ。母国語でない言語では、感情的な言葉に対して即座に感情的な反応が引き起こされないという研究結果もあり、慎重な思考がなされる可能性をさらに示唆している。

 それぞれの可能性を検証するべく、シカゴ大学のボアズ・ケイサーが率いる研究チームは、心理学者ダニエル・カーネマンが想定したシナリオを基に、数種類のテストを考案した。カーネマン氏は、人間がリスクをいかに直感的に認識するかを記述したプロスペクト理論によって、2002年のノーベル経済学賞を受賞している。

 カーネマン氏が行った有名な実験に、次のようなものがある。「600人のうち200人の命が助かる道」と、「600人全員が助かるか、さもなくば全員が助からないかのどちらかである道」があるとしたら、どちらを選ぶかという選択肢を提示するものだ。

 その場合、前者の200人を救う道を選ぶ人が多い。ところが、同じ問題を、「命が助かる」という代わりに「命が失われる」と表現した場合、「確実に400人の命が失われる道」よりも、「全か無か」のチャンスに賭ける人のほうがはるかに多くなる。

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