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「透明な紙」開発 阪大准教授 広い応用範囲に期待
紙の繊維を千分の1まで細かくした「セルロースナノファイバー」を使って透明な紙を作る技術を、大阪大学産業科学研究所の能木雅也准教授が開発した。ガラスより軽くて丈夫なうえ、プラスチックより熱に強いことから、広い範囲での利用が可能。材料は紙とまったく同じで、化石や鉱物資源に頼ることなく製造できる。処分も容易で、環境への影響も小さいことから、紙の歴史を変える新素材として注目される。
紙の材料である植物繊維そのものは透明で、紙が白いのは、繊維同士の隙間で乱反射が起こるためだ。透明な紙は、普通の紙と基本的な構造は同じだが、植物繊維を普通の紙の千分の1という15ナノメートルまで細かくし、繊維同士の隙間を限りなく狭め、乱反射を消すことによって生まれる。
これまでも試作は可能だったが、製造過程で生じる表面の凹凸を手作業で研磨しなければならず、実用化の壁となっていた。能木准教授が開発したのは、のり状にした繊維を特殊な基板に塗って乾燥させ、表面に凹凸ができないようにする技術。より透明度の高い紙を、比較的容易に作ることができるようになった。
繊維が緻密なため、水にも強い。厚みをもたせればガラスよりも軽くて強い。また、プラスチックのように温度によって伸縮することもないため、優れた素材として広く活用できる。
窓の軽量化と強化を両立させるほか、薄くて折り曲げられる液晶画面なども容易となり、応用範囲は広い。原材料が植物であることから再利用や廃棄などで、自然への負荷が小さく、環境面でも優れた新素材として期待できる。
能木准教授は「安価で安全な素材として広く活用できるようにしたい」と話している。
【ナノとセルロースナノファイバー】 ナノとは基礎単位の10億分の1。ナノファイバーは、直径が1~100ナノメートル、長さが直径の100倍以上である繊維状の物資を意味する。セルロースは食物繊維の一つ。
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