ニュース: スポーツ RSS feed
【断 二宮清純】オシム流など求めない
このニュースのトピックス:コラム・断
「オシムさんのサッカーはオシムさん以外にできない」。サッカー日本代表監督就任記者会見で岡田武史新監督はきっぱりと言い切った。裏を返せば、「僕のサッカーは僕にしかできない」ということだろう。
あえてそこまで言わなかったのは病床にあるイビチャ・オシム前監督への配慮からか。言葉を選んではいたが、かなり独自色を意識した記者会見だったように思う。
思い出すのはフィリップ・トルシエが退任し、ジーコが後任に指名された際の川淵三郎キャプテンのコメントだ。「一般の会社でもそうだがトップが代わった以上は好きにやってもらうのが一番いい。失敗した場合、責任をとるのは自分なのだから」。その采配(さいはい)をめぐっては賛否両論あったが、トルシエが日韓W杯で日本を決勝トーナメントにまで導いたのは事実である。「トルシエ流を引き継ぐべきでは?」との質問に対する川淵キャプテンの答えがこれだった。
基本的にはそのとおりだと思う。前任者のスタイルを踏襲しようがしまいが結果が出なければ、クビなのだ。ならば自らがやりたいようにやればいい。だからといって強引にハンドルを切れば事故の確率は高くなる。引き継ぐところは引き継ぐ、変えるところは変えていく。誰がバトンを受けても、基本的にはそうなるのではないか。
南アW杯アジア地区3次予選は来年2月6日にスタートする。限られた時間の中で最高の結果を出すには何をすべきか。岡田監督の最大のアドバンテージは前回のリリーフ登板の際の試練の記憶である。そこに期待している。(スポーツジャーナリスト)