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【東京マラソン連載】(下)土佐礼子 “手作り”練習、粘りに磨き (1/2ページ)
このニュースのトピックス:陸上
「いまはスランプなんですよ。調子が悪いから、だんなに当たり散らしてるんです」。今月上旬、土佐礼子(32)=三井住友海上=は冗談めかして言った。
「ひと区切り」と位置づける東京マラソンへ向け、土佐は地元松山で練習を続けている。だが、思いに反し、調子はなかなか上がらない。2月末、市民マラソンのゲストランナーに招かれた千葉で30キロ走をこなしたが、タイムは自己記録より8分以上も悪かった。
マラソン練習の開始に先立ち、夫の村井啓一さん(35)から言われた。「いいときの自分を追いかけるなよ」。土佐自身、肝に銘じてはいても、世界に挑んでいたころとのギャップを痛感し、いつになくイライラしてしまう。
実業団に入って10年。常に視線の先には「世界」があった。マラソンに臨む際は、米・ボルダーや中国・昆明といった高地で合宿。脚に張りを感じると、トレーナーがほぐしてくれた。
いまは違う。練習メニューを組むのは、かつて実業団所属の長距離選手だった夫。無事にスタートラインに立つことが第一だから、むやみに追い込まない。土佐いわく「量的には以前の7割ぐらいですかね」。走りながら、夕食の献立に頭を悩ませるようにもなった。
夫には週末しか練習を見てもらえないが、平日は母のひな子さん(60)がタイムを取り、給水を手伝ってくれる。マッサージは夫に頼む。「本当、手作りマラソンなんです」。村井さんの表現がしっくりくる。
失敗談もある。先月、夫と東京マラソンのコースを試走したら“迷子”になった。終盤の7キロはどうやらコースから外れていたらしい。以前には考えられなかったハプニングだが、それはそれで笑い話にすればいい。

