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悔しさバネに飛躍、遅咲きのヒロイン尾崎好美 東京国際女子マラソン
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前を行く加納の向こうに渋井の姿を捕らえた。「行ける」。尾崎の体に力がわいた。一時は1分半以上もあったトップとの差がみるみる縮まる。上り坂の難所をものともせず、まず加納、そして38・4キロ付近で渋井を一気に抜き去った。「ビックリしています」。マラソン2戦目での初優勝に満面の笑顔が弾けた。
初マラソンとなった3月の名古屋で2位。五輪切符は逃したものの予想以上の好結果にも悔しさは募った。「1位と2位の差を感じた。(五輪代表になった)中村さんは注目され、私は名前さえも覚えてもらえない」。周りからおとなしいとみられがちだが「目立ちたい気持ちを秘めてきた」だけに、思いは心に刻まれた。以来、東京を目指し、筋力強化と苦手意識のあった上り坂の克服を期しての栄冠だった。
4歳上の姉、朱美を追うように成長してきた。中学までバスケットボール部で、高校から陸上を始めたのも同じ。ただ「走ることだけは上だと思っていた」。入社当時は貧血もあって体力的に弱かった27歳は、山下監督が「努力ができるタイプ。自信を持てたときが楽しみ」と期待した通り、8年かけてじっくりと力を積み上げ、2006年大会で2位だった姉を上回った。
「これを自信にし、世界選手権ではメダルを意識してやっていきたい」。遅咲きのヒロインがさらなる飛躍を誓った。(金子昌世)
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