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苦行!深夜に筋トレ、滝にも打たれ…北京で花開く「八田イズム」 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:北京五輪
その瞬間、ガッツポーズとともに絶叫した。そして、涙があふれた。女子レスリング55キロ級の吉田沙保里(25)=綜合警備保障=は顔を覆い、マットを動き回る。それでも、アテネで栄和人コーチ(中京女子大監督)を担ぎ話題となった“勝利の肩車”とは逆に、担がれて上になったときには、満面の笑顔で会場の声援に応えた。
表彰台で君が代を聴くと、再び涙が止まらなくなった。今年1月のW杯団体戦(中国)で連勝記録が119でストップ、初の挫折も味わった。「きょうは、不安でしょうがなかった。優勝することができてよかった」。さまざまな思いが駆けめぐった。
思い浮かぶのは過酷とでも表現される練習だ。今年の元旦、東京・台場に集まった吉田ら男女代表、代表候補選手らが気温2度、肌を裂くように冷たい水に飛び込んだ。「北京で勝つぞ」と叫びながら必死に耐えた。
「雑念を忘れて勝とうという気持ちになれ」と、日本レスリング協会の福田富昭会長も自ら水の中へ。富山英明強化委員長ら協会幹部も、選手と同じ“苦行”に耐えた。
日本レスリング界には「八田イズム」と呼ばれる精神鍛錬の伝統がある。1964年の東京五輪で、日本を計5個の金メダル獲得に導いた当時の八田一朗会長が、厳格かつユニークな訓練により、選手を鍛えたことに由来する。
電気をつけ、音楽をかけっぱなしの部屋で選手を寝させる。深夜にたたき起こしての筋力トレーニング、滝に打たれるなど−が、その一例。「夢の中でも勝て」というのが八田会長の言葉だ。
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