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【114の金物語(58)】1972年ミュンヘン大会 体操・男子種目別つり輪 中山彰規
29歳になっていた中山彰規は「自分なりの可能性の極限」としてミュンヘン大会に挑んだ。いぶし銀の演技でチームを牽引(けんいん)し、団体4連覇に貢献。自らは得意種目のつり輪で金メダルを取り、4年前に種目別で3つの金を獲得した「種目別のスペシャリスト」らしい結果を残した。
持ち点トップで種目別決勝に臨み、要所でピタリと形を決めて9・65。強豪のウォロニン(ソ連)を2位に、9・70の最高点を出した塚原光男を3位に抑え、メキシコ大会に続く連覇を達成。「念願の金メダルを取れた」と素直に喜んだ。
大学1年の時、練習中にアキレス腱(けん)を切った。再起不能とも思われた負傷に病院のベッドで涙を流していると「ただ寝ているとは何事だ。転んでもただでは起きるな」と回診に来た医師に怒られた。その医師がベッドにチューブをつけ、握力を鍛えられるようにしてくれたという。この時の頑張りが、筋力が重要なつり輪で「いい結果になってあらわれた」と述懐している。
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