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【114の金物語(55)】1972年ミュンヘン大会 レスリング・フリー57キロ級 柳田英明
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柳田英明は世界選手権を2連覇して五輪に乗り込んだ。「アニマル」と呼ばれ東京五輪で優勝した渡辺長武と同じ。柳田も“アニマル二世”として金メダルが確実視されていた。
期待通りの圧勝だった。てこずったのは4回戦だけ。米国のサンダースと第1ラウンドは互角。だが第2ラウンド以降はスピードと技で圧倒し、判定勝ち。翌日、7戦7勝としたところで決勝リーグを待たずに優勝を決めた。この階級(旧バンタム級)は東京、メキシコを連覇した上武洋次郎に続く日本選手のV3となった。
減量のため1週間前から昼と夜の食事は取らず、金メダルまでの3日間はジュースしか飲んでいなかった。陰の苦闘が報われての栄冠。大会前には「金メダルのほかはいらない」と豪語し、五輪のウオーミングアップ場で大イビキをかいてライバルを恐れさせたという逸話を持つ男が、表彰台では涙を流した。