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【三浦隊同行記】規制にイライラ
ベースキャンプ(BC)に入ってからしばらくは原稿を出稿できなくなりました。北京五輪聖火のチョモランマ登頂計画にあわせ、ネパール政府が規制しているためです。チベット側ならともかく、なぜネパール側で規制が必要なのか、さっぱり理解できませんが、されているものは仕方ありません。
遠征隊には登山許可が発行される際、順守事項を明記した紙が渡されていました。「北京五輪の聖火のため」とは書かれていませんが、規制期間を聖火の登頂予定の「5月10日まで」としている時点で想像がつきます。内容はけっこう厳しくて、ざっと以下の通り。
(1)ネパールと中国の関係を阻害するような行動をしない
(2)すべての通信機器をBC駐在の軍のポストへ預ける。必要時は許可を得て取り出し、使用する
(3)遠征隊に関するニュースは当局のチェックを受けてから流す
(4)記者会見を開かない
(5)商業目的での通信は行わない
(6)C2より上での登山活動は禁止
遠征隊は上記の条件に違反した場合、相応のペナルティや、悪くすると登山許可の取り消しなどが科されると明記されています。産経隊としては、三浦隊の行動を阻害するわけにはいかないので、聖火の登頂までBC発のニュースは出稿しないことになりました。
しかし、エベレストの登山シーズンは6月上旬まで。登頂へ向けて、ルート工作や荷揚げのほか、アタック隊員は高度馴化のために上部キャンプへ複数回上がる必要があります。登頂日から逆算すれば、のんびりと聖火を待っている余裕がないのは、誰にでも分かること。
BCに滞在している約40隊は、みんなイライラしながら聖火の動向を毎日気にせざるを得なかったのでした。それは、目の前で起こっているニュースを出稿できない、というジレンマに悩まされるわれわれもまた、同じでした。(木村さやか)