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【114の金物語(49)】1968年メキシコ大会 体操・男子種目別平行棒 中山彰規
閉会式の前日に行われた体操の男子種目別。つり輪で金メダルを獲得した中山彰規は、第5種目の平行棒に移った。
第4種目の跳馬で、日本に動揺が走った。エースの加藤沢男が練習中に左腰を痛め、棄権。好機到来とばかりにソ連のムードは高まり、個人総合2位のボローニンに優勝をさらわれた。動揺が後の種目に影響しないか心配されたが、この不安を中山が吹き飛ばした。
平行棒で持ち点首位だった中山は、完璧(かんぺき)と思われる演技で9・70をマーク。同じく9・70を出した2位のボローニンを持ち点の0・05差のまま振り切った。
「体操ってのは、結局、自分との戦いなんだ。相手が10点取ったら、自分も10点取る。勝てなくても負けにはならない」。感情の起伏を表さないポーカーフェースで、これを実行できる強さがあった。
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