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「前へ進む」世界記録続出のスピード社の水着 (2/2ページ)
だが、その後も各国の動揺は収まらない。イタリアオリンピック委員会の医科学研究所が「レーザー・レーサー」の浮力や流動性などを調査するといい、カスタネッティ・ヘッドコーチは技術上のドーピング同然と指摘する。
日本水連とサプライヤー契約を結ぶ水着しか着用できない日本代表からも不満の声が出た。4月の強化合宿でレーザーレーサーを試着した選手の記録が、一気に縮まり、平井伯昌コーチは「水着が一番心配。メダルの数が確実に変わる」。上野広治監督も、3社に商品の改善を求めた。
【心理的影響】
話はもはや物理的な枠を超え、精神面にも及ぶ。「レーザー・レーサー」で男子百メートルバタフライの五輪切符を手にした岸田真幸(アクラブ調布)は「速い水着と分かっていたので、安定剤のような形で気楽に泳げた」と、4月の五輪代表選考会を振り返る。裏を返せば、この水着を使えないことは、「精神的にもハンディを背負う」(平井コーチ)ことを意味する。
優位性を示す科学的根拠がないことが、話をさらに複雑にする。日本水連と契約する各メーカーとも「これをやりますといって、すぐできるものではない」「発表した商品は最新の自信作」と、困惑を隠しきれない。
仮にスピード社が日本代表のオフィシャルサプライヤーに名を連ねることになっても、北島康介(日本コカ・コーラ)はミズノと個人的に契約を結び、柴田亜衣(チームアリーナ)はデサントの社員という事情もあり、トップ選手はその後も、難しい選択を迫られることになりそうだ。

