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体操、鹿島丈博 ケガ乗り越え2度目の五輪へ
「難度を下げるつもりはなかった。自分の最大限のモノを出したいと思っていた」。最終種目の鉄棒に臨んだ際の心境を、鹿島はこう振り返った。2次選考会で不安が残った離れ技「コールマン」で落下し、再挑戦した離れ技「コバチ」も失敗。自身初という2度の落下で、代表ラインの3位から9位に順位を下げ、種目別ポイントで救われての代表入りとなったが、悔いはなかった。
失敗の要因は浮かぶ。一昨年1月に肩を手術し、復帰後の昨年8月、世界選手権直前に今度は左手甲を骨折した。以来、4月の2次選考会が10カ月ぶりの実戦復帰。「なかなか試合勘が戻らなかった」という。技への練度が足りなかった。それでも難度を下げて「3位」を狙いに行くことをしなかったのは「五輪ではどこで使われるか、分からない。予選で鉄棒に出ることもあると考えた」からだ。
「最後に、不安のあった鉄棒でミスが出た。こんなことのないようレベルアップしていく。中国が相手というより、まずは自分との戦いだから」。敢えて挑んだからこそ、課題もしっかりとつかみ取っていた。
頂点を極めたアテネ五輪後、2度の手術を経て「苦しいときを乗り越えていく努力の仕方を覚えた。精神的に成長できたと思う」と語る27歳。試合に出れぬ日々が長かったからこそ、「また(五輪の)緊張感を味わえることがうれしい」。すべてをぶつけての代表入りだけに、心からの笑顔が浮かんだ。(金子昌世)


