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【主張】五輪聖火リレー 強権姿勢改めて「対話」を

2008.3.26 03:12
このニュースのトピックス主張

 北京五輪の聖火リレーがスタートした。24日、ギリシャのオリンピア遺跡で採火された聖火は、日本の長野を含む5大陸21都市と中国内の112都市を巡り、8月の開会式をめざす。しかし、13万7000キロに及ぶリレーの前途は多難といわざるをえない。

 採火式典で北京五輪組織委員会の会長が演説中、「国境なき記者団(RSF)」(本部・パリ)の事務局長ら3人が中国の人権抑圧に抗議する旗を掲げて乱入し、取り押さえられる前代未聞のハプニングがあった。この騒動だけではない。中国の人権抑圧に対する国際社会の批判のうねりが大きくなった。タイでは聖火リレー走者の1人が辞退を申し出ている。

 理由は明白だ。今月中旬に中国のチベット自治区で起き、周辺にも広まったチベット独立要求デモに対する中国政府のあまりに強権的な対応である。

 チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世は在インドの亡命政府から「非暴力」と「対話」を呼びかけた。しかし、中国政府は騒乱を「ダライ集団が内外の(中国)分離主義者と連携し、北京五輪破壊を狙ったもの」と決めつけ、弾圧批判には耳を傾けようとしない。

 騒乱の地域から外国人記者は排除された。採火式典の抗議乱入シーンは日本や欧米ではテレビが映像を流したが、中国ではカットされた。このような報道統制が国際基準から大きくはずれていることを五輪開催国として、まず認識する必要がある。

 4月下旬に聖火リレーの舞台となる長野市の実行委員会によれば、北京五輪組織委はリレーや式典の直接妨害行為だけでなく、中国政府を批判するプラカード類を掲げる活動も排除するよう要求しているという。

 暴力的な妨害を阻止するのは当然だ。しかし、「五輪反対」を唱える言論の自由もまた民主国家の原則である。中国政府が理解すべき五輪ルールはあまりに多い。

 北京五輪を覆う暗雲をふりはらう方策はただひとつ、中国政府とチベット亡命政府の「対話」だ。ダライ・ラマ14世も今や「独立」ではなく、「高度な自治」を要求している。

 批判やボイコットを無視しても五輪開催は可能かもしれない。だが、中国の失うものも大きい。

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