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【外信コラム】ポトマック通信 チャンピオンの涙
このニュースのトピックス:柔道
ワシントンの夜の街頭で稲葉将太選手が大粒の涙をこぼし出したのには、ちょっと驚いた。東海大学4年の柔道選手の彼はこの9日のニューヨーク・オープン国際柔道大会の81キロ級で優勝を果たした。
2月に師範の山下泰裕氏に同行して外務省の招待でワシントンを訪れた稲葉選手はそのまま3週間ほど残り、「ワシントン柔道クラブ」で練習を重ねてからニューヨークの大会に出た。22カ国からの強豪が集まる同大会では彼は各国の一流選手を次々に破って最優秀選手賞までを得た。
ちなみにこの大会には同じ東海大学のOBの紫牟田武徳、大川康隆両選手も別のクラスに出て、ともに3位となった。ワシントン柔道クラブからは米国人のメンバーが多数、観戦にきて、3人を熱っぽく応援した。
そのうちの稲葉選手だけがすぐワシントンにもどって、日本に帰ることになった。前夜、同クラブの若い男女たちが同選手をピザ・レストランに招き、送別の集いを開いた。簡単な食事を終え、街路に出て、「ショータ、また会おう」と手を握り、肩を抱いた。3週間の稽古(けいこ)への相互の感謝もこめられていた。すると、大会の優勝でも笑顔しかみせなかった稲葉選手が「サンキュー」と答えたとたん、泣き出してしまったのだ。
「つい、感激して」と、後でもらした本人の言葉はさわやかだった。
(古森義久)