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【主張】マラソン五輪代表 「環境」にも周到な準備を
日本陸連は10日、北京五輪マラソン代表に男子は尾方剛、佐藤敦之、大崎悟史、女子は土佐礼子、野口みずき、中村友梨香の6選手を選び、発表した。女子は2000年のシドニーで高橋尚子選手、04年のアテネで野口選手が金メダルを獲得しており、3大会連続制覇の期待がかかる。
レースが行われる8月の北京は高温多湿の厳しい気象条件になるとみられる。加えて、今回は大気汚染という誰も経験したことがない“敵”とも戦わなければならない。
日本陸連は世界に先駆けて暑さ対策に取り組み、国内のメーカーやマラソン指導者らと協力して、レース中に摂取する水分の研究をはじめ、ユニホーム、靴、帽子、そしてサングラスなどを開発して、選手を支えてきた。
暑さは選手側で克服しなければならない要素だが、大気汚染は環境問題の一つとして、主催都市が改善に向けて対策を立てるテーマである。
北京市は五輪開催に備え、老朽化した高炉を閉鎖したうえ、167の工場を郊外に移転させた。同市環境保護観測センターは昨年、北京の「青空」が1998年の100日から246日に増えたと成果を強調したが、世界保健機関(WHO)のガイドラインよりも「青空」の基準が甘く、このデータは信頼性に乏しい。
また、車の普及が進み、昨年5月には北京市の自動車登録台数が300万台を突破して、ようやく本格的な排ガス規制に乗り出した。
対策の遅れを見かねた英国はマスク着用や、呼吸器系の機能改善効果があるビタミンC、Eの摂取を検討しているが、薬の服用はドーピングとの絡みもあるので難しいとの見方もある。
2月に北京を訪れた男子マラソンの世界記録保持者、ハイレ・ゲブレシラシエ選手(エチオピア)は10日、「中国の汚染は自分の健康にとって脅威」と、マラソン出場を回避することを明らかにした。
日本選手団は既に、大気汚染の詳しい情報を把握しており、できるだけ滞在期間を短くしようと、レース直前に北京入りする予定だ。環境が改善される可能性が低いだけに、かつてない過酷な42・195キロになることを覚悟しなければならない。