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野口本命も劣悪環境が難敵 北京へマラソン代表決定
「複数のメダルを狙えるメンバーになった」。女子マラソン代表について日本陸連の長沼祥吾マラソン副部長(女子担当)は期待を込めた。五輪連覇を期す野口みずきを軸に、暑さへの対応力と安定性を併せ持つベテラン土佐礼子、21歳の新鋭、中村友梨香の布陣は確かにバランスがよく、野口、土佐が猛暑のアテネ五輪を経験していることも好材料だ。
1991年世界選手権銀メダルで第一生命監督の山下佐知子氏は「野口はどんな条件下でも自分のリズムで押し切れる力を持っており、北京でも本命の1人。中村も瞬間的な爆発力があり、面白い存在だ」と指摘する。「現時点で最高の布陣」ともいえる女子マラソン陣営にとってライバルは誰か。
長沼副部長は「昨年の世界選手権上位者は要注意」と語り、同選手権優勝のキャサリン・ヌデレバ(ケニア)、銀メダルで地元での五輪となる周春秀(中国)を挙げた。ともに2時間20分を切るスピードを持ち、暑さへの対応力も世界選手権で示しているだけに強敵だ。もう一つ、北京ならではの難敵は“環境”。コースこそほぼ平坦(へいたん)で全体の高低差は8メートルだが、軍事転用可能な路面は硬く、懸念される大気汚染に加え、高温多湿の気象条件が立ちはだかる。
野口を指導する藤田信之監督は「気温が高くても乾燥していたアテネと違い、(北京は)真夏の大阪に輪をかけたような蒸し暑さ」と指摘、「平坦だからといっても高速レースにはならないと思う。シューズやウエアなどの面で対策が必要」と話す。
長沼副部長も「環境はアテネ以上に過酷になるだろう。硬い路面では脚に負担がかかり、レースも我慢比べのスローペースが予想されるが、今回の代表3人は勝つために自らレースを動かせる力を持っている」。
五輪3連覇の期待のかかるレースは8月17日午前7時半(日本時間午前8時半)にスタートする。(金子昌世)