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男子マラソンに新星、藤原 東京マラソン
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日本人トップの2位をひた走る藤原の脚に異変が起こった。38キロ過ぎ、右ふくらはぎのけいれん。何度も足がもつれ「棄権という最悪の事態も頭をよぎった」。が、ここからの対処が見事だった。「ストライドをせばめ、ペースを落とせば持ちそうだ」。冷静な走りで諏訪の追い上げをしのぎ、2時間8分40秒でゴール。一般参加、無名の26歳が一躍、北京五輪代表に名乗りを上げた。
長崎の名門・諫早高から拓大を経て、入社4年目。これまでの実績は、ないに等しい。一万メートルの自己ベストはどうにか29分を切る程度。初マラソンに挑んだ昨年のびわ湖毎日は、腹痛と足のマメに見舞われ、2時間38分37秒という屈辱的な結果に終わっている。
それなのに、ひそかに狙っていたという。「目標タイム? だいたい、このくらい」。元日の全日本実業団対抗駅伝では、エース区間の2区で13人抜きの快走。直前の中国・昆明合宿では、1キロを3分で走るペースを体に覚え込ませ、アップダウンを用いて心拍数を上げる練習を入念に。自信を持つ根拠はあった。
ただ、踏んだ距離はさほどではない。練習量は多いときでも月間900キロ足らず。もっとも、打越コーチいわく「天才肌のランナー」は一方で「勉強家」でもある。インターネットで海外の文献を探し、自ら翻訳してトレーニングの参考にすることも。「常日頃から試行錯誤してますから」。そうした姿勢も、快走につながった要因だろう。
「五輪は物心がついたときからのあこがれ。(北京五輪代表に)選んでいただけたらうれしい」。近年、ベテランばかりが幅を利かせた男子マラソン界に、待望久しい新星が誕生した。
(細井伸彦)