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【産経抄】2月8日
このニュースのトピックス:言語・語学
あの「中東の笛」騒動はなんだったのか。空前の盛り上がりを見せた北京五輪アジア予選のやり直しからわずか1週間余りで、世間のハンドボールへの関心はすっかり薄れているようだ。
▼今回の騒ぎは大きなチャンスだったのに、「ハンドボールをどう育てたいのか、という理念が伝わってこない」。サッカー解説者のセルジオ越後さんが、きのうの朝日新聞で、協会にこんな苦言を呈していた。
▼予選のやり直しを認めないアジア連盟が、日本と韓国に科した罰金1000ドルという処分にも首をかしげる。両国が拒否したのは当然だ。ただ、「東京五輪招致への悪影響」にまで言及した連盟の会長に対して、日本は静観を決め込んだまま。スポーツ外交の弱さも目立つ。
▼普及と国際化に辣腕(らつわん)をふるった人物として思いだされるのが、アマチュアレスリングを日本のお家芸に育てた八田一朗だ。ふがいない成績に終わった選手には、頭の毛ばかりか、下の毛まで「剃(そ)るぞ!」と迫り、流行語にもなった。精神を鍛えるためにライオンとにらめっこさせるなど、話題作りがうまかった。
▼一方で、早くから選手や指導者を海外で武者修行させて、常に最新の情報を入手していたことが、東京五輪での5個の金メダルに結びついた。国際レスリング連盟のずさんな会計を追及する硬骨の士でもあった。このため“村八分”となり、メキシコ五輪では、審判の判定は明らかに日本に不利だったが、「誰にでもわかるフォール勝ちをすればいい」と選手にハッパをかけ、4個の金メダルを獲得している。
▼そんな「八田イズム」が、弟子の福田富昭日本オリンピック委員会選手強化本部長ら、現在のスポーツ界のリーダーたちにも引き継がれているとは思うが。