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【スポーツコラム】脅しのアラブにどう対処
イスラムの開祖、マホメットは言った。「山は移ることがあっても人の性格は変わらない」。やり直しとなったハンドボールの北京五輪アジア予選。29、30の両日、日本で日韓一騎打ちという形での開催が決定した。同時に、不参加を表明していたアラブ側がやり直し予選の無効を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。問題のヤマは動こうとしているが、いったんこうと決めたら後には引かないアラブの性格は、簡単には収まらない。
やり直し予選の日本開催を決定したのは国際ハンドボール連盟(IHF)。しかし、クウェートの王族であるアーマド氏が会長を務めるアジア連盟(AHF)は、やり直しを拒否する立場をとっている。27日にはクウェート市で臨時理事会を開き、予選参加国を処分する意向といわれる。理事会に先だってAHFが日本に対し、やり直し予選の主催や参加をした場合、除名処分にするという文書を送ってきたのは脅しの一端だ。予選での“アラブの笛”と同じく強引で、品がない。
強気に出るのも、オイルマネーによる財力があるからに他ならない。最近の中東によるスポーツ界進出は権力奪取という形で顕著に表れ、アジア連盟の会長が中東勢で塗りつぶされつつある。40年以上も日本が保ってきた体操は2年前、カタールに奪われ、柔道も昨年、クウェートにさらわれた。サッカーとバスケットボールはカタール。水泳が日本のとりでとなっている。
変化はスポーツ界に限らない。クウェートでは海外からの投融資環境が整い、高さ1000メートル超の高層ビルを建設する計画がある。アラブ首長国連邦(UAE)では今後、持てあます金を核開発につぎ込むという。国力を世界に示すことに糸目はつけない。
オイルのにおいに日本は敏感だ。原油輸入の中東依存は1987年度以降、上昇傾向にあり、2005年度は89・1%。アラブ諸国を無視して生活はできない。日本ハンドボール協会の渡辺佳英会長は予選の日本開催が決まっても表情は硬かった。「アジア連盟との禍根を残している」。かたくなな中東に対し、どう妥協点を探るのか。スポーツの枠を超えた問題に膨らむ可能性もはらむ。アラブの油が浸みている日本の尻に火がついた。
(運動部次長 小田島光)