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【イチローの真実】(上)肉体の衰えをフォームでカバー (3/3ページ)
このニュースのトピックス:大リーグ
鋭いスイングをキープしながら、天性の優れた動体視力を最大限に生かす。湯浅教授は「彼は『ボールのどの部分にバットを当てれば安打を打てるか』をコントロールしているのです」と説明する。
「イチロー選手が『本塁打を狙おうと思えば、打てる』という発言は、ボールのどの部分に当てれば、どのような打球が飛ぶかを予測できているから言えることだと思う。ならば、ボールのどこにバットを当てるかをコントロールしていると見るほうが理にかなう。それだけ動体視力が優れている証拠」と結論づけた。
他の誰よりも「打球をコントロールできる」イチロー。あと通算安打数を伸ばすためには、試合に出続け、打席に多く立つことだけが必要だった。
京都大の小田伸午教授(運動制御論)は「イチローは疲労を蓄積させにくい体の使い方をしている」と見る。打撃の際の体の使い方について、武術で用いられる「送り足」の動きを使っているというのだ。
通常の場合、左打者がスイングして一塁へ走り出すときは、一歩目となる軸足の左足を右足よりも前へ踏み出そうとするが、イチローは左足を右足のそばへ素早く寄せて、右足の方を大きく前へ踏み出すという。これだと股(こ)関節に無理な負担がかからないので、けがの防止になり、体に余分な力が加わらない。小田教授は「力を抜くというのは、力を入れないのではなく、無駄な力を省くということ。体に無駄な力を入れない分だけ、意識もバットに集中することができる」と効果を話す。
肉体的にリラックスした状態を保ち、シーズンを通して巧みなバット裁きを披露し続けるイチロー。次回はその脳の働きについて調べてみる。
















