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【WBC連覇】最後はイチローが決めた「変わらぬことが支え」
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WBC連覇を決めたのは、やはりこの男だった。同点の延長十回二死二、三塁。8球目のシンカーをとらえた打球が低い弾道で中前に弾む。「僕は(強運を)持っている。神が降りてきた」。勝利を呼び込んだのは、まぎれもなくイチローのバットだった。
ベンチでは原監督ら首脳陣が笑顔でハイタッチ。選手は勝利を確信したかのように沸き立っていたが、二塁ベース上でイチローの表情は険しいままだった。「普段と変わらぬ自分でいることが、僕の支えでしたから。個人的に(自分の状態が)タフな中で、これを崩すと支えきれなくなると思っていました」。
決勝では4安打を放ったが、それまでの通算打率は・211。前回大会の英雄が、負ければ敗戦の責任を背負わされる立場に追いつめられていた。「想像以上の苦しみ、つらさ、痛覚では感じない痛みを経験しました」と本人も認める。
代表招集前、会食した原監督からチームリーダーに指名されていた。練習では常に先頭に立ち続け、試合後はスポークスマンの役割も果たした。その上で「7、8割の力で期待されるプレーをしたい」と考えていたが、その理想からかけ離れた試合が続いた。
必死でもがいた姿はしかし、イチローも生身の人間だということをチームメートに感じさせ、それぞれの自立を促した。そして全員の力で勝利。ウイニングランのとき、最年長の稲葉から「チームを引っ張ってくれてありがとう」と声をかけられたイチローは、シャンパンファイトの後に仲間の手で胴上げされた。
「(今大会は)谷しかなかったが、最後に山に登れて良かった」。打撃不振のどん底からはい上がった天才は、とびっきりの笑顔で大会に幕を降ろした。(ロサンゼルス、田中充)















