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【大相撲豪傑列伝】(13)力道山の肉を食いちぎった「土俵の鬼」 初代若乃花幹士 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:朝青龍
誰もが知るあの相撲一家の長である。“角界のプリンス”こと元大関貴ノ花(故人)の兄で、“若貴兄弟”こと元横綱三代目若乃花と貴乃花の伯父。だが、初代若乃花の異能ぶりは弟や甥をはるかにしのぎ、「記録に残らない『強さ』という尺度では、戦後最強」ともいわれる。
「土俵の鬼」と呼ばれた。105キロの軽量ながら、筋金入りの体には筋肉が張りつめ、注射針が刺さらないほどだった。「ぶち殺してやる」との気迫で土俵に上がると、巨漢力士をがっぷり四つに組み止めた。ひざのバネが抜群で、俵に足がかかるとテコでも動かず、左四つからの上手投げ、右四つでは呼び戻し(仏壇返し)で相手を土俵にたたきつけた。柔道史上最高の名人と呼ばれる三船久蔵十段をうならせた技のキレだった。
若ノ花と名乗っていた若手時代は「狼」と呼ばれた。朝青龍の「モンゴルの蒼き狼」、千代の富士の「ウルフ」の先輩格である。10人兄弟の長男として家族を養うためのハングリー精神が闘志の源。二所ノ関部屋の兄弟子である力道山のシゴキを受けて強くなったが、けいこの途中で力道山の脛にかみつき、肉を食いちぎったことがある。力道山がプロレス転向後に黒いロングタイツをはいたのは、その傷を隠すためだったともいわれる。
昭和33年3月に横綱昇進。同じ小兵の横綱栃錦と「栃若時代」を築いて10回の優勝を果たし、テレビ時代のヒーローとなった。大関時代の31年には自らが主演した自伝映画「土俵の鬼・若ノ花物語」が製作されたほど。国民的人気も弟や甥にひけを取らなかった。
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