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立ち合いの“奇策”生きた 琴欧洲
このニュースのトピックス:大相撲
琴欧洲がひねり出した作戦が功を奏した。「自分が左上手を取って、相手に左上手を取らせたくなかった」。変わり気味の立ち合いで狙い通りに左上手をつかむ。右下手も引くと、休むことなく前に出て白鵬を寄り切った。
真っ向勝負ではなかった。しかし、悲願の初優勝に向けて、なりふり構ってはいられなかった。「立ち合いは取組前に自分で考えた」とにやり。連日の横綱撃破に「うれしいし自信になります。言葉が出ない」。普段は寡黙な大関が珍しくまくし立てた。
貴乃花審判部副部長(元横綱)は「変化というか、まわしを取りにいったというか。落ち着いて力を発揮している」と作戦を評価。北の湖理事長(元横綱)も「先場所までは何だったのか。それぐらい相撲が変わった」とうなった。
平成18年春場所直前に故障した右ひざには今もサポーターを巻き、テーピングで固めている。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「完治はしない」というが、本人は「よくなってきて、場所前のけいこもしっかりできた」と復調の一因にケガの回復を挙げる。
13日目の安美錦戦に勝って、白鵬が琴光喜に負ければ優勝が決まる。「まだまだ3日ある。ここで緊張しない人はいないが、一日一日、自分の相撲を取りたい」。すっかり色あせていた横綱候補の看板が、再び輝こうとしている。
(奥山次郎)