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琴欧洲、関脇時代の雪辱に燃える
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琴欧洲が立ち合いの鋭い踏み込みで、朝青龍を棒立ちにさせた。素早く取った右上手を命綱にして出し投げで崩し、両前まわしをがっちり。強烈な引きつけで朝青龍の腰を浮かせて寄り切った。飛び交う座布団を気持ちよさそうに浴びた。
「勝負と思って出た」。平成18年初の大関昇進後では初となる11勝目を挙げたのは、優勝争いを占う大一番。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)と握手を交わして支度部屋に戻っても笑みは絶えない。「こんなに笑うのは久しぶり」
土俵下で見守った放駒審判部長(元大関魁傑)も賛辞を惜しまない。「引きつけの力が強い。あれだけの身長差があると、どうしてもああいう形になるんだろうね」。番付を駆け上がってきた当時のスタイルを取り戻そうとしている。
頭をよぎったのは、関脇時代に優勝決定戦で朝青龍と激突した17年秋。12日目を終えて2差をつけ初優勝をほぼ手中に収めながら、残り3日で追いつかれた。「あのときの悔しさは忘れていない」。雪辱を果たす機会がようやく訪れた。
報道陣に囲まれると、13日目以降の予想対戦相手を逆取材。優勝を意識し始めているのは間違いないが、「まだまだ。明日も横綱戦が続く」。逆転される怖さは身に染みて分かっている。だから足下をみつめることも忘れない。(奥山次郎)

