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【主張】北京五輪柔道 世界に存在感示す機会に
柔道日本一を決める全日本選手権が29日、日本武道館で行われ、石井慧選手が優勝、北京五輪100キロ超級代表に決まった。これで、男女全階級の代表がそろった。
前回のアテネ大会で日本選手団は16個の金メダルを獲得したが、柔道だけで半数の8個(男子3、女子5)を占め、お家芸復活のきっかけをつかんだ。北京で夢よ、もう一度、と柔道関係者はもくろんでいるが、欧州勢や開催国・中国などがレベルアップに努めており、厳しい戦いが予想される。
柔道の魅力は、誰もが勝ち負けが分かる「一本勝ち」にある。最近は欧州勢を中心に、ポイントにこだわり、まともに相手と組まずに、低い姿勢からタックルを仕掛ける変則的な柔道をする選手が増えている。
国際柔道連盟(IJF)は「観客が分かりやすいダイナミックな柔道」との方針を打ち出し、北京では組まない選手から反則をとるという。さらに、五輪後は「効果」のポイントを廃止することが決まっている。技の競い合いは歓迎すべきだが、試合がもつれた場合、今まで以上に主審らの判断が重要になるため、審判員のレベルアップが求められる。
柔道発祥の国として歯がゆいのは、このようなルール改正の決定に直接、かかわれないことだ。
昨年、日本柔道界は痛い黒星を2つも喫した。全日本柔道連盟の佐藤宣践副会長がアジア柔道連盟の会長選挙に出馬したが、クウェート人に敗れた。また、IJF理事選では、再選を目指した1984年ロサンゼルス五輪金メダリスト、山下泰裕氏が大差で落選、中核メンバーから日本人の名前が消えた。
全日本柔道連盟の上村春樹専務理事がIJF執行部に名を連ねているものの、議決権がない理事にとどまっている。
一日も早く影響力を取り戻さなければならない。柔道はいまや国際的なスポーツになっただけに、世界が黙ってついてくるという思い込みは時代錯誤だ。日本に求められているのは、ルール改正などでIJF幹部が耳を傾けるような提案を積極的にすることではないだろうか。
そのためには、日本柔道の強さを改めてアピールする必要がある。北京では石井選手をはじめ日本選手団に胸のすく「一本勝ち」を期待したい。