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力士の大銀杏結って半世紀 名床山最後の春 (1/2ページ)

2008.3.22 12:15
このニュースのトピックス伝統芸能
支度部屋で大銀杏を結う床邦。床山にとってはこの時間が真剣勝負=大阪府立体育会館(浜坂達朗撮影)支度部屋で大銀杏を結う床邦。床山にとってはこの時間が真剣勝負=大阪府立体育会館(浜坂達朗撮影)

 大相撲で関取(幕内、十両)の頭を彩る大銀杏(いちょう)。それを結う専門職を床山と呼ぶ。床山会会長を務める特等床山の床邦(とこくに)(64)=本名・渡辺邦雄、春日野部屋=は、この道49年のベテランだ。7月の定年(65歳)を控え、最後の春場所(大阪府立体育会館)で連日、日本の伝統美を土俵に送り出している。

 午後1時50分。支度部屋で、床邦の手がしなり始めた。調髪用の髷棒(まげぼう)は、畳針に自ら手を加えた愛用の道具。鋭い先端がきらめき、髪が典雅な膨らみを帯びていく。大たぶさが生まれ、髷の先が銀杏の形にパラリと開き…。「きれいか? 自負があるからね」。鬢(びん)つけ油の香りを放つ芸術品が、ここに生まれる。

 大銀杏は「作品」という。若手のころ、頭を手がけた関取を花道まで見送った。「髷がグラグラしていないか心配で」。髷が下につけば負け。勝負の一端を担う職責の重さを両肩に感じてきた。

 入門は昭和34年5月。栃錦、初代若乃花の両横綱が画した「栃若時代」は円熟期にあった。大銀杏を任されるまでに約10年。「技は見て盗め」といわれ、兄弟子の妙技に目をこらした。顔、頭、髪の三者が折り合う美の均衡点をいかに探すか。「試行錯誤の繰り返し。すべて自分の感性だ」。理想に近い作品を結えるようにはなったが、完璧(かんぺき)と思えた作品はひとつもない。

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支度部屋で大銀杏を結う床邦。床山にとってはこの時間が真剣勝負=大阪府立体育会館(浜坂達朗撮影)

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