ニュース: スポーツ RSS feed
【いざ北京】限界を超える挑戦 柔道・野村 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:いざ北京
100年を超える五輪の歴史のなかで、五輪4連覇を記録したのは陸上・走り幅跳びのカール・ルイス(米国)らわずか3人。そこに列しようとする柔道男子60キロ級、野村忠宏(ミキハウス)の試みは“限界を超えるための挑戦”と置き換えてもいい。
その野村が苦悩している。「怖くなるときがある。瞬間的に体勢や運が悪ければ、どうなるか…」
視線が落ちる。縦横に手厚いテーピングを施す右ひざ。昨年5月に靱帯(じんたい)を断裂、リハビリで上積みした筋肉が、ひざ下をつなぐ。「30年やってきて新規のけが」。からりと笑ってみせるが、不測の角度でたわむと背筋が凍る。
ひざの伸縮一つで大小自在に弧を描いた背負い投げ。体の一部というべき至芸も今は自らに刃を向ける。「それ以外の攻めは8、9割方戻ったかな。背負いじゃなくても技はある」。捨てるのも勇気と、体の声を受け入れた。33歳。もう若くはない。
だが、野村には強運が残る。一昨年のアジア大会を制した江種辰明(警視庁)が五輪選考から漏れ、残るは経験の乏しい若手。「その時々で勢いのある若手は出てきたが、全部受け止めてきた自信がある」。思えばシドニー、アテネで重ねた「金」は、青い芽を摘む作業の先にあった。「最高の自分を作れば、誰が来てもいい」。野村の手に掛かれば、歴史は繰り返す…か。




