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【夏の甲子園】浦添商・エース伊波、魂の熱投
このニュースのトピックス:高校野球
同点の九回一死一、三塁。一打サヨナラの大ピンチに浦添商のエース・伊波はセンター方向を向き、目を閉じて静かに両手を空へ広げた。自分を落ち着かせるための独特の“儀式”だった。
「あれで集中して自分の“ゾーン”に入った」。打者2人を続けて内野ゴロに仕留め、思わず雄たけびを上げた。直後の延長十回、味方のスクイズによる決勝点を呼び込む魂の熱投だった。
大会屈指の右腕がこの試合最初は右翼手で登場した。前日は127球で完投。「あいつは力投型で連投になると肩に負担がかかる」。神谷嘉宗監督は先の戦いを見据えて先発させなかった。
背番号「1」がマウンドに上がったのは1点リードの七回。だが、「疲れで直球が走らず」いきなり2本の適時打で逆転を許した。「自分の後ろにはもうだれもいない。最後まで抑える」。あとは気力で投げ続けた。
だからこそ、もぎとった1勝の味は格別だった。最後の打者をこの日最速の145キロの直球で捕飛に打ち取ると、同じくボールを追った伊波は女房役の山崎と向かい合う形となり、そのまま抱き合って喜んだ。「優勝したくらい大きな勝ちだったので、つい」とはにかみ笑い。
チームは上原健吾部長が主将だった1997年以来のベスト4進出。「先輩に並べてうれしい」と胸を張った。沖縄から初めて首里が夏の大会に出場してから50年。節目の年に選抜の沖縄尚学に続く沖縄勢の春夏連覇がもはや夢でなくなった。 (坂井朝彦)
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