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直球の威力戻る 巨人・木佐貫
このニュースのトピックス:セ・リーグ
巨人の木佐貫が勝負球に選んだのは、あのときと同じ直球だった。
二回の先頭打者で迎えた金本の第1打席。カウント1−1からの3球目に、140キロの直球を投げ込んだ。真ん中やや高めと厳しいコースではなかったが、詰まらせて二ゴロに打ち取った。
あのとき−とは、5月7日に東京ドームで行われた試合の第2打席。140キロの直球を金本の頭部にぶつけた。連続試合フルイニング出場のプロ野球記録を更新中の“鉄人”が、その場にうずくまった瞬間、マウンドで立ちつくした。
危険球退場で降板し、翌日の試合前は真っ先に謝罪に訪れた。「気にするな。また思いっきり投げてこい」。死球後も出場を続けて記録が途絶えなかった金本に笑顔で声をかけられた木佐貫は、「あの言葉に救われました」と感謝した。
直後に2軍落ちしたときから、直球を磨き直した。1軍復帰後も全体練習より早くグラウンドに姿を見せ、三塁手前から一塁への遠投で、体重移動を徹底させた。
前回15日の中日戦で4回途中4失点と崩れたため、この日は「ダメなら再び2軍落ち」と背水の覚悟だったが、直球が輝きを取り戻した。初めてバッテリーを組んだ鶴岡と直球主体に攻めた。
死球以来の対戦で、金本を3打数無安打に抑えたのをはじめ、七回途中1失点。阪神の優勝マジック点灯を阻止した右腕は「追いかける立場なんで一つずつ勝っていくだけです」。謙虚な語り口だが、直球の球威とともに、自信も取り戻していた。(田中充)


